日本足の外科学会 The Japanese Society For Surgery Of The Foot

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日本足の外科学会 足部・足関節治療成績判定基準 JSSFスケール

4つの部位別判定基準とRA(関節リウマチ)足部・足関節判定基準を加えた計5つの判定基準(スケール)をまとめて、JSSF standard rating systemとしました。JSSFスケールは、PDFおよびWORDでダウンロードできます。先生方の研究にお役立てください。
JSSFスケールとは
データダウンロード
日本足の外科学会 足部・足関節治療成績判定基準(日本語版)
JSSF (Japanese Society for Surgery of the Foot) standard rating system(Japanese version)
平成18年1月
日本足の外科学会 治療成績判定基準検討委員会
青木 治人 井口 傑 大関 覚 木下 光雄 倉 秀治 田中 康仁 仁木 久照 野口 昌彦 野村 茂治 羽鳥 正仁(50音順)

この度、日本足の外科学会治療成績判定基準検討委員会は、足部、足関節疾患に関連した部位別判定基準(4部位)と疾患特異的判定基準(1疾患)の5つの判定基準で構成される「日本足の外科学会 足部・足関節治療成績判定基準(JSSF standard rating system)」を開発し、計量心理学的検証を行った。

現在、医療評価をする際には、信頼性、妥当性、反応性が計量心理学的に検証されていない判定基準を用いたアウトカム研究は、科学的根拠に乏しくEBMのエビデンスの条件に沿わないことが広く認識されている。今回開発したJSSF standard rating systemは、医療側からの客観的評価として初めてその条件を満たすものであり、今後日常診療、臨床研究、学会、紙上発表などで広く用いられ、足の外科の発展に寄与することが期待される。

4つの部位別判定基準はAOFAS(American Orthopaedic Foot and Ankle Society)clinical rating systemの表現と内容を日本人向けに改変し、さらにそれには表記されていない各項目の解釈基準や疼痛判定基準(ペインスケール)などを加えた日本独自のバージョンであり、決してAOFAS clinical rating systemをそのまま踏襲したものではない。これより当委員会は、4つの部位別判定基準とRA(関節リウマチ)足部・足関節判定基準を加えた計5つの判定基準(スケール)をまとめてJSSF standard rating systemと命名した。

表に、JSSF standard rating systemの5つの判定基準それぞれが対象とする部位、関節および疾患と、各項目の配点を示す。

JSSF standard rating system

足関節・後足部判定基準(JSSF ankle/hindfoot scale)
内・外がえしは距腿、距踵、距舟、踵立方関節を含むため、足関節と後足部はひとつの複合体として評価する
対象部位、関節および疾患 距骨、踵骨、脛骨遠位、腓骨遠位。距腿関節、距踵関節、距舟関節、踵立方関節。以上の部位、関節に起因する疾患や外傷を対象。
配点(100点満点) 疼痛40点/機能50点/アライメント10点
データ
中足部判定基準(JSSF midfoot scale)
対象部位、関節および疾患 舟状骨、立方骨、各楔状骨。楔状骨間関節(内側-中間楔状骨関節、中間-外側楔状骨関節)、外側楔状骨立方骨関節、舟楔関節、リスフラン関節。以上の部位、関節に起因する疾患や外傷を対象。
配点(100点満点) 疼痛40点/機能45点/アライメント15点
データ
母趾判定基準(JSSF hallux scale)
対象部位、関節および疾患 第1中足骨、母趾基節骨および末節骨、種子骨。母趾MTPおよびIP関節。以上の部位、関節に起因する疾患や外傷を対象。
配点(100点満点) 疼痛40点/機能45点/アライメント15点
データ
2~5趾判定基準(JSSF lesser scale)
対象部位、関節および疾患 第2~5中足骨、第2~5趾基節骨、中節骨および末節骨。第2~5MTP、PIPおよびDIP関節。以上の部位、関節に起因する疾患や外傷を対象。
配点(100点満点) 疼痛40点/機能45点/アライメント15点
データ
RA足部・足関節判定基準(JSSF RA foot ankle scale)
対象部位、関節および疾患 RA(関節リウマチ)によって前足部、中足部、足関節・後足部に障害、変形を来したもの全てを対象。
配点(100点満点) 疼痛30点/変形25点/可動域15点/歩行能力20点/日常生活動作10点
データ
尚、JSSF standard rating systemの開発経緯とその英語版、さらにそれらの信頼性、妥当性、反応性に関する計量心理学的検証結果については参考文献1,2)を参照されたい。これらはすでに電子ジャーナル(Springer open choice)としてインターネット上で無料公開され、閲覧およびダウンロードできる。

参考文献

1. H.Niki, et al.. Development and reliability of a standard rating system for outcome measurement of foot and ankle disorders Ⅰ
development of standard rating system. J Orthop Sci 2005; 10: 457-65.
2. H.Niki, et al.. Development and reliability of a standard rating system for outcome measurement of foot and ankle disorders Ⅱ
interclinician and intraclinician reliability and validity of the newly established standard rating scales and Japanese Orthopaedic Association rating scale. J Orthop Sci 2005; 10: 466-74.
JSSFスケールとは(印刷用)