第4版
2017年(平成29年)に「足の外科学用語集」第3版が発行されてから5年の歳月が流れた。この間に年号も変わり、非常に多くの変化があった。特に2020年初頭から始まったCOVID-19のパンデミックは、社会に大きな変化を強いて、我々の生活を一変させた。その一つとして、社会活動のオンライン化がある。学術活動もその流れから逃れられず、学術集会や講演会は、感染がやや収束した時期には現地開催されるが、多くの学術集会や講演会は現地開催とオンラインのハイブリットないし、オンラインのみで開催されるようになった。また学会の会議は、ほとんどのものはオンラインで行われるようになっている。このパンデミック前から、社会のデジタル化の流れを受けて用語集のオンライン化の方向性が決まっていたが、さらに加速され、このたび初めて「足の外科学用語集」はオンライン版として発刊されることとなった。その利点として、インターネット接続可能な携帯電話などのデバイスがあれば、いつでもどこでも検索が可能ということが挙げられる。またかさばる本書を持ち運ぶ必要がない。さらに今回は田中康仁理事長の英断もあり、日本足の外科学会会員だけでなく、一般の方にも使っていただけるようホームページで完全公開となった。足の外科に関わるすべての方に使っていただければと思う。
一方、今回の改訂に際して、用語の全面的な見直しも行った。委員会の先生には担当分について詳しく検討いただき、修正すべき用語、新たに追加すべき用語についてご提案いただき、委員会全体で何度も議論し、決定した。さらに新たな語を記載したい希望は多くあったが、時間と労力の制限のため、一般的な医学用語、一般的な整形外科学用語は、それぞれの辞典、用語集に譲り、足の外科学に特に重要と思われる語に限定して採用することとした。また日本足の外科学会評議員の方々からは、パブリックコメントを通じて貴重なご意見をいただき、追加修正を行った。しかし議論や検討が不十分で採用には至らなかった多くの語がある。ご指摘・ご提案いただいた先生方には感謝を述べさせていただくとともに、心よりお詫びを申し上げたい。
最後に、足の外科学用語に詳しいとは到底いえない私を委員長にご指名いただき、また全面的にサポートしていただいた担当理事の羽鳥正仁先生、前委員長の高尾昌人先生、また委員会の先生方、さらに田中康仁理事長を始めとする理事会の先生方、日本足の外科学会の評議員、会員のみなさま方に、心より感謝を申し上げたい。特に、日本足の外科学会事務局の移行が発行直前に重なったにもかかわらず、献身的にご助力いただいた事務局のみなさん、南山堂の方、そして、昼夜をたがわずオンライン版作成にご尽力いただいたハッピージャパンのみなさまには、感謝の言葉もない。本当にありがとうございました。まだこの用語集には審議途中の多くの語が残されている。またオンライン版になったことで生じた新たな問題点も存在する。これらは、足の外科用語に関わる全ての方から広くご意見を頂きながら、今後改訂を重ねるべきである。この用語集が今後さらに使いやすく、みなさまの参考になるものとなることを祈念して、第4版発行にあたってのことばとしたい。
日本足の外科学会 用語委員会
委員長 伊藤 宣
アドバイザー | 高尾 昌人(~2020年11月) |
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担当理事 | 羽鳥 正仁 |
委員長 | 伊藤 宣 |
委員 | 青木 孝文 印南 健 佐本 憲宏 鈴木 啓之 土屋 大志 銅冶 英雄 若林 健二郎 渡邊 誠治 渡邉 英明 |