日本足の外科学会 The Japanese Society For Surgery Of The Foot

足のコラム

14painful heel pad

足踵部皮下組織は弾性線維が豊富な線維組織で構成された隔壁組織が渦巻き状に並び、脂肪組織を保持する表層のmicrochamberと深層のmacrochamberに分割され、荷重による衝撃を吸収する。plantar heel painの原因として1965年Millerらはパッドの菲薄化は脂肪の局所的な消失か線維組織である隔壁の断裂によるとしている。1999年にBojsen-Millerは弾性の減少がplantar heel painの原因の可能性があるとし、Prichasukは1994年に踵骨パッドの減少に伴う踵骨パッド厚の部分的減少か隔壁の断裂のため弾性が消失するとしている。2000年Narvaesらは、踵部痛は1)足底腱膜病変(足底腱膜炎、断裂、線維腫、黄色腫)、2)腱組織病変(腱炎、腱鞘滑膜炎)、3)骨組織病変(骨折、骨挫傷、骨髄炎、腫瘍)、4)滑液包病変(後踵骨滑液包炎、アキレス腱滑液包炎)、5)足根管症候群、6)踵部脂肪褥病変に大別でき、有痛性踵骨パッドは足底腱膜炎と混同されているがMRIで鑑別できるとしている。2002年矢部裕一朗らは足底腱膜炎、踵骨棘、足根管症候群を除外し、1.荷重時に踵骨隆起下縁部に疼痛を生じ、同部位に圧痛のあること、2.脂肪褥の高度の低下・減少により踵骨下縁部を容易に触知できることの2点を定義して有痛性踵骨パッドとした。

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